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すけっち
通信No.5(2008.1)より

皆さん、‘仮面ライダー’と聞くと何を連想されるでしょうか。多分子供番組。或いは蔑称でジャリ番という言葉でしょう。私は現在この分野の作品に携わっています。巷間、奥様達の間で評判のイケ面番組、平成仮面ライダーシリーズの『仮面ライダーアギト』からの縁です。
それ以前は松竹大船撮影所を経て東映東京撮影所の美術部に20代からお世話になり、東映で最初に助手として就いた、映画『二百三高地』以来作品に恵まれ紆余曲折を経て現在に至ります。その環境の中で仕事をこなし、覚えていき、そして映画『ビーバップ・ハイスクール』で一本立ちし、このまま時間が過ぎて行くものとばかり思っていました。しかしあにはからんや諸先輩各位も御存知の様に各撮影所も過渡期を迎えて行きました...そして東映東京撮影所も遅ればせながらその渦に巻き込まれ、現在も暗中模索の状態にあると私には思えます。
さて、そんな環境下で仮面ライダーの話が舞い込んだのです。
最初はこの手の作品は映像美術としてどの程度の攻め方が許されるのか・・・そして守れるのか、皆目見当がつかず迷いました。CGは?合成は?壊し物は?壁破りは?・・・・・と心配事ばかりのスタートでした。例えばロケーションでのアクションシーンですが、『大嶋さんいつものアレを用意してもらえますか、』と演出部。『アレって何よ?』と私。『..三種の神器ですよ、ドラム缶、木箱、一斗缶ですよ。』『...成る程ネ..』という具合です。他のスタッフは昔からの仲間で私だけがヨソから来た異端者でこの先どうしたものかと思ったものです。伝統ある東映特撮番組を映像美術という観点から見ると低予算、狭いステージしか与えられず、セットを建て込んだら他の機材を置くスペースも無く、キャラクターが主役でセットやら美術的仕事は添え物でした。今回の美術やりすぎじゃない・・とか本編じゃないんだからとか陰口を叩かれた事は事実です。
しかし私は映画美術の世界で育った者として映画だからとかテレビだからとかの区分けは最初から念頭に無く自分のスタイルを子供番組に持ち込みました。映画スタイルです。
それは何か?こだわりです。制作者サイドも最初は驚いていた様です。そして納得していきました。しかしそれを可能にする為には同時にそれまでテレビ専門に携わってきた装置部・装飾部の意識・技術それと制作者の意識を変えなければなりませんでした。昔からの常套文句の(そんな所、映らねーよ!とかテレビだろ!)とか、衝突を繰り返しました。 しかしそれも過去の話となり現在はそれが当たり前となり、次の年もその次の年もより以上の仕事を期待される様になりました。そして毎年夏には本編の全国ロードショー公開が恒例化し、あいも変わらず低予算・低報酬・テレビ並みのスケジュールながら興行成績も東映自主作品として抜群の成績で良き孝行息子の役目を果たしています。
目下の悩みは助手さんがなかなか見つからない事(映画での)。マニアの助手さんならともかく、『本編の仕事をしたいので..』とか『子供番組はちょっととか..』。しかしバカにしたものでも有りませんよ。一年間のなかの美術的バランス感覚、低予算の中の工夫、嵐のようなスケジュールの中の美術・・・装置・装飾とのかかわり、図面・プランを練るスピード等、準備パートの美術として要求される必要不可欠の事柄の多くが修行・勉強出来ます。
映像美術をめざす後輩諸君そんなに敬遠せず一度チャレンジしてみませんか。
ただし私でよろしければ(9月現在)..と言っているうちに11月となり来年の新番組の助手さんがやって来ました。パイロットのみですが、竹内公一、悦子ご夫妻の紹介です。京都で学生時代を送りつい最近東京に引っ越して来ました。勿論、東京も仕事も右も左も上も下も分からずと言った状況です。自宅から大泉の撮影所に通うだけで道がわからず四苦八苦しています。戦力とはならずとも誰しも最初の時代が有ったように仮面ライダーは彼女にとってはこの世界で記念すべき作品になるのです。誰かが最初に彼女を引き受けなければ・・・私に運命はお鉢を回したのでしょう。ただ過去にも経験しましたが新人の助手さんを今回のように安易に預かったお陰で失敗した事が有ります。それはリスクを伴う事を忘れてはいけないと思います。ただそれも承知でひっくるめた寛容さと覚悟が必要なのでしょう。彼女も映像美術という仕事のアウトラインが撮影が終了した時点で初めておぼろげに見えてくるのでしょう。この先幾多の先輩諸氏、同輩助手さんとの出会いを経て成長してくれる事を願います。
と言うわけで、この年末も今年の作品の最終回に向かっての撮影と平行して来年の新番組の準備、ロケハン、そしてタイトルバック撮影の準備と・・・恒例のせわしない季節がやって来ました。今年中に全てを年内に終わらせなければならないのです。スピードです。現在本編映画、テレビ、その他の作品に携わっている若い助手さん達、予備軍の皆様、各、夢工場 ? 調布、砧、大泉方面で頑張っている皆さん是非苦しくてもリタイヤせず良い作品と良い先輩に恵まれ夢を成し遂げて下さい。夢をあきらめずに・・・・・・。

ア! 忘れてた!まだ Vシネマがあったんだ・・・・・・・・。苦・苦・苦・楽・楽・楽々・・・苦。       


前作『仮面ライダー電王』(1月中旬まで放送中)
レギュラーセット 喫茶店ミルクディッパー 平面図と奥から入り口方向写真

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