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すけっち
通信9(2010.3)

執事喫茶にお帰りなさいませ 丸山裕司

 これは、大阪毎日放送の深夜テレビ番組。30分12回。平成21年の1月から4月まで放映されたメイド喫茶ならぬ執事喫茶という女の子の客をお嬢様として接待する。その中で色々とドラマが語られていき、一話づつ違う世界です。

 東京の池袋に本物があるので、それをプロデューサー、監督、チーフ、そして私の4人で下見に行きました。周りは女の子ばかりで少々はずかしい思いをしました。紅茶を飲み、ケーキを食
べ、アフタヌーンティならぬ、くつろぐ80分間で約3,500円くらい平均で使います。

 トイレに行くのは“花を摘みにいく”と言うのです。私はそれらを見て話を聞いて、イギリスの屋敷をイメージし、セットの真中にバラのトレリスを作り、3間奥に3.5尺高にした炉を置き居間を造りました。

 図面でいくと最初の入り口は舞台上に作り、店を地下の設定にしました。このスタジオを川崎市浜川崎の鶴見線の駅から歩いて5分くらいの場所にあるthink studioの中の映像探偵社が入っている、元は組合会館のホールを利用しました。そのために舞台というか壇上があります。それを利用して入り口をさらに高くしました。L型に曲がり、扉を入ってさらに階段を下り、店は幅5間1.5尺、奥行き5間1尺の喫茶店を造りました。

 その建込、飾り、造形、ステンドグラス等を造り世界を表現した人達は、伊藤ゲンちゃんを中心に、京都造形芸術大学卒業生の若尾君、小倉君。日本映画学校卒業生の望月君、京都造形芸術大学3年の木岡君、2年の学生さん、手伝いの人、塗装の女性、飾りのつかみ所は嵩村ちゃんが中心になって高津と話をしてくれました。全員で8人、そして私です。 建込は11月初旬からパネル作り、高さ2間から始まり、茶チリ貼り、階段作り、暖炉作り、腰板張りのベニヤ加工、色塗り、ステンドグラス三枚、カーテン厚手はベッチン有り物加工。
レース作りは望月君担当。バラのオブジェ類、飾り、食器の手配等、「ポンパドウル婦人」2尺×3尺と暖炉の所の楕円の絵は武蔵美の学生さんに描いてもらいました。

 みんなで泊り込んで、朝9時前から夜10時過ぎまでやり、悩み、考え、間に合うかといったことなど気にしながら、なおも予算を気にしながら、木材、ベニヤ、茶チリ、塗装、パンチカーペット、レース、房飾り、大物は高津でなどなど、ソロバンの玉がその度に上がり「飾り物はなるべく100円均一の店で揃えて」と、わいわい言いながら世界を作っていきましたが、段々日にちが無くなっていきます。作業が午前様になって来ます。
 最後は自分のデザインだから、はしょればいいと腹をくくっていましたが、みんな本当に一生懸命、手を抜くことなく世界を作ってくれました。深夜ドラマにはもったいないほどのセットが完成しました。  パネル作りを始めて、建込、飾りまで約1ヶ月かかりました。撮影所で同じことをやると約半分以下の日にちで済みますがお金ははるかにかかります。
このゲリラ的というか独立プロ的と言うか、発想を変えて(ひねって)お金が無いときでもセットとしての空間が欲しい。(決して本来の姿ではなく、いいことではないと思いますが)こういう方法もありだよなと、私自身大変なチャレンジでしたし、又勉強にもなりました。

 私の狙いはイギリスのちょっとクラシックな屋敷。バラが国花なので、絵も飾りもバラを中心に、そして全体の色調はベージュとチョコレート色の腰板と手すりで甘い感じに仕上げ、ベッチンのカーテンとレースにフレンジングをつけ、ゆったりとドレープをとり、豪華な感じを出し、暖炉の部屋は居間風に。下にはメインのクラシックなダイニング。階段脇 には書斎、個性ある個室2つがレースで仕切られた、それぞれのソファー空間。それに真中にバラの造形物で庭園をイメージした物等が一体となって、いい雰囲気になりました。

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