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すけっち
通信No.1(2006.1)より
昨年暮れ、知人の紹介でフランスから建築の仕事に携わっている青年ドミニック氏が東映京都撮影所を訪れて来ました。彼は日本映画の大ファンで、特に時代劇が好きとのこと。私が案内役で、丁度テレビ時代劇で里美浩太郎主演の『水戸黄門』、そして北大路欣也主演の『大岡越前』を撮影していました。喜々として彼は『サムライ』『武士道』と連行する挙句の果て、本人自身がサムライに扮装したいとのこと。俳優センターで衣装部、装身具係にご御足労をおかけする。(結髪は時間的に断念)見事に変身し、刀を腰に差し大喜び。彼にカメラを向けた時に運良く北大路欣也さんがこられ、一緒に入ってもらい時代劇スターとの記念写真となりました。

帰国した彼はその写真を大きく引き伸ばし、オフィスに飾り友人達に自慢しているとの便りが届きました。少しあいまいだがフランスでの彼の見た時代劇は、黒澤明監督作品か小林正樹監督作品らしい。(?)でも日本人よりも時代劇の様式美に強烈な印象をもった彼の審美眼には感心させられた。文化の違いはあっても、異文化に積極的に興味を持ち熱っぽく語った彼は、さすが芸術文化の国フランス人ででした。

数年前の夏、スイスのロカルノ映画祭の50周年記念特集として、加藤泰監督ファンのイタリアのプロディーサー マルコ・ミレール氏による日本映画「加藤泰監督作品」が12本出品されることになり、日本側関係者として作品を監修された評論家の山根貞男氏、フランス文学者で評論家の蓮実重彦氏(当時東大総長)そして私と3名が参加しました。「任侠」「武士道」「義理人情」等、加藤監督のフィルムグラフィーの多様性を示すに充分なプログラムであった。参加した映画通の各国の人々はおそらく「加藤泰」という名を知る人は少ないだろう。その中で時代劇や任侠映画のジャンルがどう評価されるか興味津々でした。映画好きの熱狂的なロカルノ族や予備知識を持った人々はともかく、会場は盛況で上映中は笑い(?)と拍手で盛り上がりました。

映画祭事務局から出る毎朝の日報「パルドニュース」に載った記事、業界の記者、観客の言葉に「50周年の最大の事件の一つが加藤泰作品の発見だ」「加藤泰はロカルノで発見されるべき実に偉大なシネアスト(シネマアーティスト)だ」と好評の連続でした。 フランスの映画族はいまだに日本映画はミゾグチ(溝口)オズ(小津)クロサワ(黒澤)に尽きてしまうらしい。

でも彼らの中には初めて見たこの加藤泰作品にパンチを喰った者の少なくないのではないか・・・ 青年ドミニック氏に、加藤泰作品を観せるべく、フランス行きの準備をしている昨今です。

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