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佐藤千夏子

ぐるぐると、同じことばかり考えてきた。
うだうだと、愚痴ばかりとなえるのも、相変わらずのことだけど。
埃が太陽の下を舞う程度だけど、キラキラしていた高校時代の願をあたしは未だに想っていて、これから先もその気持ちを守っていきたいと、声を大にしては言わないけど、そう思っている。

退屈で仕方がなかった高校時代、それを救ってくれていたのは映画だった。“救って”なんていえば大げさかもしれないけれど、救うという言葉の他にしっくりくる形容が見つからない。
あの頃のあたしにとって見れば、それだけのウエイトが映画にのっかっていた。誰にでもある思春期のあの特有な、孤独感や疎外感。今思い返してみてもよくわからない多くの感情に、もがく毎日で、考えてもしょうがないことばかり考えては自己嫌悪まみれな毎日の中で、映画を見ている間は不思議に心が晴れた。
それが、どんなに重く暗い映画だったとしれも、自分の中のどうしようもない気持ちがどうにかなった。今もその気持ちは変わらない。

あたしは結局、その映画という世界の中で美術よいう仕事を選んだ。とはいえ、仕事を始めてまだ1年も経たないので「美術やっています!」など、他人様に胸張って言えず、小声でしかもうつむき加減でしか自己紹介出来ない程度で、まだまだ知らない事だらけで、気も使えず、この仕事むいていないじゃないか等言われたりもするけど、それでも、この仕事を見つけられて、それだけは人生の中でも自分を褒められる一つになるのじゃないかと、ひそかに思っている。仕事の苦労やなんかもいろいろあるけれども、それを全部ひっくるめても、楽しくてしょうがない。美術というものが楽しくて仕方がない。映画の世界で働きたいという漠然とした気持ちの中から、美術という仕事を見つけられてあたしは幸せだ。

私がいま唯一、人に胸をはれるとすれば、それだけ。
これから辞めちゃいたくなる瞬間だってたくさん遭遇すると思うけど、今のあたしはそれだって楽しみだ。どのような自分に変わっていけるのか、どんな人たちに出会えるのか。まだまだ、先は長いので得意の焦らずのんびりな心構えで、次のお仕事を待とうと思う。

 

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