2023年2月5日(月)〜2月8日(木)(4日間)
- 2/5(月)『レジェンド&バタフライ』講師:橋本 創
- 2/6(火)『乱』講師:安藤 篤
- 2/7(水)『たそがれ清兵衛』講師:出川三男
- 2/8(木)『いのちぼうにふろう』講師:竹内公一
- 開催場所
- 調布市文化会館 たづくり
- 参加費
- 全日程 ¥5,000 1日 ¥1,500
日本映画・テレビ
映画美術スタッフ塾
SCHOOL
2023年 1月公開 168分
9:00受付開始
東映創立70周年記念作品。総制作費20億円。「尾張の大うつけ者」と呼ばれた織田信長の16歳から49歳までの34年間で、濃姫との出会いから本能寺の変までを大友監督が演出。
時代劇の面白さは、現代劇よりも生死を背負った物語が描ける。戦国時代の武家同士の結婚は、それぞれの家を背負い、その家の行末を見据えて夫婦になるという生き残りをかけた政略結婚が殆どで、そこに生々しい人間同士の思惑や感情が潜んでいる。
信長と濃姫という夫婦の30年間の変遷、やがて信長は自ら魔王と名乗り、比叡山延暦寺で大量殺戮をするようになっていく、そんな変貌を目の当たりにする濃姫。妻を愛するが故に魔王と化していく信長。歴史的事実など確認できる術もない時代劇こそ想像の翼を広げて描くに足るジャンルでもある。映画もドラマも時代劇製作が激減している現在、信長の生き様にどれだけの観客が興味を示してくれるのか?(「キネマ旬報」より)
1985年6月公開 162分 日仏合作
9:00受付開始
戦国武将「一文字秀虎」を主人公に、その晩年と3人の息子との確執、兄弟同士の骨肉の争いと破滅を描く。秀虎は息子たちの要を説くが三男の三郎は父親の弱気を兄弟衝突の懸念と訴える。
物語は、シェイクスピアの悲劇「リヤ王」をモチーフにした壮大なスケールの戦国絵巻。
黒澤監督は、「乱」の製作に自ら奔走し、脚本に10年、製作費26億円(当時の日本映画で最大規模)エキストラ延べ12万人、使った馬は延べ15,000頭である。黒澤監督の最高傑作の一つとして国内外で高く評価された。
2002年 11月公開 129分
第26回日本アカデミー賞 最優秀作品賞 最優秀美術賞
9:00受付開始
原作は、藤沢周平著の連作短編時代小説で、山田洋次監督が初めて手掛けた本格時代劇。
物語は、幕末の庄内・海坂藩の下級武士である井口清兵衛が、妻に先立たれた後、幼い二人の娘と認知症を抱えた老母の世話をしながら借金返済の内職の為に夕刻の就業の太鼓を聴くと同僚の酒の誘いも断り、真っ直ぐに自宅に帰り家事と内職。日々の暮らしに追われ、着のみ着のままの貧乏生活で身なりは薄汚れていくばかりの清兵衛。仲間からは、「たそがれ清兵衛」とあだ名されていた。監督は、徹底したリアリズムに拘ったが、映画の舞台である幕末の庄内地方の資料がほぼ皆無に近く美術的には制約だらけの世界観の表現となった時代劇である。不自然・不必要な明るさが見られる時代劇映画が多い中で、この作品は、当時の暗さを表現し、観客を納得させる事に成功している。
1971年 9月公開 121分 モノクロ・シネマスコープ
毎日映画コンクール美術賞 日本映画技術特別賞
9:00受付開始
大名の下屋敷を周る濠と沼に囲まれた「島」。深川の湿地帯を埋めたその中にある深川安楽亭は、その「島」にある唯一の建物であった。看板は一膳飯屋だが密輸のための集荷基地で禁製品の隠し場所になっており、知らない人間が入れば生きては出られないという場所になっていた。
町役人も入るのを躊躇う吹き溜まりの「島」に曰くのある若い「つがい」が身を寄せてきた。
ご禁制の抜荷稼ぎを生業とする住人たちは、自分達にはない「将来の夢」を託して「御上の罠」疑惑のある抜荷船へと漕ぎ出した。安楽亭の社会的背景を発想の軸としたセット構成とデザインは巧緻で、この作品の彫りを深くし、美術監督水谷浩の手腕が高く評価された。セット面積は、約3500m3。神奈川県下相模川の中州に建立された。当時の予算は、2千数百万円。延べ3000人余人を動員した。(毎日映画コンクール評)
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