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美術監督の仕事

美術設計のための
資料収集・美術考証

Association of Production Designers in Japan

シナリオに設定された作品内容は現代劇、時代劇に関わらず多岐にわたり、様々です。そして生活様式の変化流行はその時代の特色を物語るものです。
したがって資料収集と美術考証は美術の大事な基礎作業です。
通常明治時代を境に以後を現代劇、以前時代劇と区分けします。現代劇に於いても明治初期、後期、大正時代、昭和の太平洋戦争前、戦中戦後の時代の風俗、制度しきたり生活様式、建築様式は混在しながらも違いが大きいのです。

現代劇といっても様々です家庭の生活シ-ンひとつにしても、その時代の流行、生活程度によって、使われる建具類、家具、食器、衣裳、装身具など、は違いがあります。
使い方を間違えば生活感の雰囲気が違ってしまいます。
そのためには要求される時代設定された場所の資料(建築に関する写真、書籍、流行、風俗年代史等)収集してそれを参考にして色々な空想、想像の世界をふくらませてプランニングして具体的に図面化(デザイン)して絵にして行くわけです。
より良く、正しくその時代にあった 美術設計を行なうためには、綿密な資料調べと美術考証をしっかりとしなければならないのです。

作例えば時代を特定しない時代劇の場合、シナリオがイメ-ジする架空の時代を想定し観客に架空であるけれどもある時代を感じることが出来る実在感、作品のリアリティを失わせない映像を作ることもあります。

映画は現実的リアルな、生活感のあるものもあれば、創りごとの世界、非現実的な夢の世界、幻想的な情景が主場面になる作品もあります。
いずれの場合にしても、美術監督は多くの資料、考証知識、豊富な経験、鋭い時代感覚、そしてなによりも豊な創造性によって、イメ-ジを膨らませ前述した諸々の条件を考慮して作品にふさわしい美術設計を行なうのです。
そしてそれを実際に具体的に造形するためのセットごとの数多くの図面を作成するのが美術監督の主たる仕事なのです。

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